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無責任の構造・権威主義の正体

無責任の構造権威主義の正体――岡本浩一
・社会心理学者による本。なんで二冊を同時に取り上げるかというと、内容が結構似ているところがあるから。どちらも権威主義の傾向や問題点を大きく取り扱っている。「無責任の構造」の方は、会社などでどうして無責任な状態が発生するかを分析していて、JCOの臨界事故のケースなどを分析しながら、無責任の発生メカニズムを書いている。「権威主義の正体」の方は、ユダヤ人のホロコーストのケースを取り扱っている。
 どちらかというと、「無責任の構造」の方が面白かったかな? 両書ともに、社会心理学の実験を紹介していて面白い。アッシュによる同調の実験とか、小説でもネタとして使えそう。ミルグラムの実験も怖い怖い。
 中でも一番の収穫は、「認知的複雑性」という概念。これは簡単に言うと、「複雑な物事を、複雑なまま理解する」能力のこと。この認知的複雑性の低い人は、複雑な物事を簡単に理解しようとしてしまう。「ようするにこういうことでしょ?」と自分の理解しやすいようにしか理解しようとしない。言葉を変えると、「あいまいで抽象的な状態」に我慢できず、「分かりやすく具体的」に理解しようとする。こういう人は権威主義と結びつきやすいらしい。分かりやすい肩書きやフレーズでもって理解して、難しい物事を理解しようとしない。こういう人たちが集団となると、そりゃ怖ろしいことになる。政治などについて考えるときも、これの認知的複雑性の考え方は大事だと思う。自分も認知的複雑性を高める努力をしようっと。
 この本は本当におすすめです。しかしどちらも絶版……おふう。
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藍上 陸(らんじょうりく)

藍上 陸(らんじょうりく)
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小説書いてます。

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