立命館大学新聞社・鶴颯人さんの『ロヒンギャへの道』

いま、小説を書くためにミャンマーで起きているロヒンギャ問題について調べています。
何冊か本を読んだりしているのですが、ロヒンギャ問題について書かれた本はそもそも少なく(とくに日本語で読めるものは)、あったとしても刊行が何年も前のものだったりします。

ミャンマーの情勢は刻々と変化していますから、もっとリアルタイムに近いものはないかとネットを探していたら、まさにうってつけのサイトを見つけました。

立命館大学新聞社のサイトで連載されている、『ロヒンギャへの道』という一連の記事です。

学生の方が実際にミャンマーまで行って、現地で取材して得た情報をもとに書かれています。
今年(2019年)の2月から連載が始まって、現在も続いています。
ミャンマーを取材したのは昨年のことのようですが、まさに彼の地の現実が見事に切り取られています。

当初、前情報なしに記事を読んでいったのですが、学生が書いているとは思いませんでした。
てっきり大学の先生やプロのライターが、仕事で渡緬して調査されているのだとばかり……。
それぐらい記事の質が高いのです。

ロヒンギャの人だけでなく、ラカイン人(ミャンマーの多数派の仏教徒)にも取材して、フェアに物事と向き合おうとしているのが文章から伝わってきます。
冷静と客観性を旨とする報道的な文章をベースにしながら、ところどころ書き手の率直な感情が流れ、むりなく読み手を現場まで連れていってくれます。
行動に裏打ちされた情報の質の高い文章で、月並な言い方になりますが『足で書く』ことを大切にし、しかもそうして流した汗を決して誇示したりしない。
いい文章だ。

記者は、鶴颯人さんという方。(Twitterはこちら)・(ブログはこちら
まだ二十代の大学生だと思うのだけれど、これだけのものを書けるのは本当にすごい。
『ロヒンギャへの道』だけでなく、立命館大学新聞社のサイトには鶴さんが取材して書かれた記事がいくつもあって、その実力のほどがうかがえます。
たとえば、『バンコクの性産業と日本人』という記事一つ見ても、こんな充実した文章を書いているのが大学生だなんて信じられます?
きっと五十年近く前、若いときの沢木耕太郎さんを初めて知った当時の人たちも、同じような印象を持ったんだろうな。

『ロヒンギャへの道』、ぜひ書籍化して欲しいですね。

僕がいま書こうとしている小説、これまで自分が書いたことのないタイプの作品になる予定なので、出版どころかちゃんと完成できるのかすら自信がないのですが、僕も若い人に負けないようがんばろうと思います。
書いてる人

藍上 陸(らんじょうりく)

藍上 陸(らんじょうりく)
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小説書いてます。

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