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新ルパン三世の服装

本日、10月1日26時40分から、日本テレビで始まるルパンの新アニメのお話。
くわしい情報は公式サイトをご覧あれ。

アニメ放送にさきがけて、先行公開されたOPがもうかっこよくてかっこよくて……涙でそう。
これほどスタイリッシュな映像、滅多に見られるもんじゃないです。
僕なんかがいくらすばらしさを語っても伝えきれるものじゃないので、ぜひみなさんもご覧ください。

さて、OPの紹介だけで終わってもよかったのですが、服好きから見てルパンの「服装」について語ってみたいと思います。
いちおう断っておきますが、僕は決してお洒落な人間じゃないです。
ただ、服は好きですし、服装にまつわることを調べるのも好きで、男性向け・女性向けのファッション雑誌をそれぞれ定期購読したり、東京にいたころはいろいろな服屋に顔をだしていました。

そういう服好きとして、ルパンの恰好を見てみますと……。

s-ルパンブーツ


まずファーストカットのこのブーツ。
男の子はみんなこういうの大好きです。
これはワークブーツに分類されるもので、文字どおり元は肉体労働者向けのブーツで、国内外のさまざまなメーカーがこういう型のものを作っています。
とくにアメリカが有名で、レッドウィングやホワイツあたりがよく雑誌でもとりあげられます。
上記のルパンのブーツは、どこのメーカーのものかわかりませんが、踵の丸みはホワイツのセミドレスによく似ています。
この曲線、じつにグラマラスでいいですよね。
ほかのメーカーですと、この踵の曲線がうまくでてないことが多いのです。レッドウィングなども、踵はもっと直線的です。

ホワイツは、受注生産のような形で、客が細かいディテールを指定して作ることができるので、ルパンの履いているブーツもかなりのところまで再現できるかもしれません。

上記引用画像ではわかりづらいかもしれませんが、爪先のところにもう一枚革が載せられて、補強されています。
これは「キャップトウ」というもので、爪先保護のためです。肉体労働者は重いものをよく運ぶので、それが爪先に落ちたときのためですね。
レッドウィングの「Iron Range」というブーツは、これと同じですね。
ラピュタのパズーも、こういう形のブーツを履いていました。

現在の安全靴は、爪先にスチールを入れて補強していますが、昔の十九世紀あたりの技術では金属を正確に加工して入れこむことが難しかったため、こうして革をもう一枚載せていたわけです。
このディテールは、紳士靴にも受け継がれており、「ストレートチップ」という型の短靴は、このワークブーツのディテールを引き継いでいます。
もともとは野趣あふれるディテールなのですが、ストレートチップは現在ではもっともフォーマルな靴の型の一つとされています。黒いストレートチップがあれば、冠婚葬祭からビジネススタイルまで、すべてだいじょうぶです。

ルパンが履いているブーツは、爪先がそり返っているのがいいですね!
頻繁に履いていると、あっという間に爪先がそり返ります。紳士靴だとこの状態はださいですが、やはりワークブーツはこうでなきゃいけません。

さて、靴につづいて服を見てみます。

s-ルパンジャケット


ルパンのこの青いジャケットは、Wikipediaの項目によると、舞台となるイタリア側の意見をきいて決められたそうです。
これは英断だと思います。イタリア人は本当に青いジャケットが好きなんですよね。
ルパンは赤いジャケットを着ているイメージが強いですが、赤いジャケットを着るのは派手好きのアメリカ人ぐらいで、イタリア人はほとんど着ないと思います。

お洒落なイタリア人なら、微妙に色味のちがう青いジャケットを複数持っているのがふつうです。とにかくジャケットの基本は青系ですから、ルパンの着ているような鮮やかなブルーから、黒に近いミッドナイトブルーまで、シャツやパンツやネクタイとの組み合わせを考えて使いわけます。

ジャケットの仕立てですが、上記引用画像を見る限り、イタリアの仕立てというよりも、フランスの仕立てのイメージがあります。
ショルダーにパッドを入れて、肩幅を強調してるんですね。しかも肩の尖端が、少し上を向いている。
これは、フランスのピエール・カルダンというデザイナーに代表される、「コンケーブ・ショルダー」というものです。
こうして肩幅をだしておいて、ウエストを思いきり絞ることで、男性的かつ優美なスタイルとするわけですね。

イタリアの場合、南のほうのナポリ仕立てですと、肩パッドは入れないか、入れたとしても最小限にとどめることが多く、こういうふうに肩を強調しません。ナチュラルショルダーが基本となります。ウェストもあまり絞りません。
北の方のミラノでも、ナポリと比べれば肩を作る傾向にありますが、やはりコンケーブ・ショルダーのように極端にすることは少ないでしょう。
ただ、裏地のない一枚仕立てっぽい感じは、イタリアの匂いがします。

ジャケットのなかに着ているシャツは、黒か、黒に近いネイビーでしょう。
イタリアで黒シャツといえばファシストを連想しますので、ふつうの人が着ることはあまりありません。
イタリア人が好きなのは、ライトブルーのシャツですね。濃い色のシャツは、ジャケットとの組み合わせも難しいんですよね。
しかしルパンはアナーキーな泥棒なので、この濃い色のシャツがよく似合ってますね。
シャツのカラーは、イタリアでは開きの大きいワイドスプレッドカラーのイメージがありますが、ルパンのはレギュラーカラー。
Vゾーンをコンパクトにまとめ、ルパンのスリムさを強調しているのでしょう。

ネクタイは赤。
これも、イタリア人はさほど赤いネクタイは好みじゃないと思いますが、ルパンによく似合ってます。
赤いネクタイが好きなのは、やはりアメリカですね。保守派の政治家がよくパワー・ドレッシングとして赤いネクタイを締めます。イタリア人は黄色とか、やはりネイビーが好き。柄は無地か、小紋柄が好きなイメージです。
上記引用画像では見えませんが、ネクタイの尖端がよくある三角形ではなく、四角形になっているものです。
カジュアルな印象の強いネクタイですね。それをタイピンで留めています。
タイピンは、かつては親父くさいといわれていましたが、十年ぐらい前からデザイナーのトム・ブラウンが流行らせていますね。僕は持ってないけども。

ルパンの腕時計ですが、僕は時計のことはくわしくないので、メーカー名などはわかりません。
秒針が独立した「スモールセコンド」で、おそらくは機械式だということしかわかりません。風防も丸みを帯びてるっぽいし、アンティークかもしれない。
ルパンの秘められた知性をよくあらわすチョイスだと思います。クロノグラフとかごてごてしたものは合わないと思う。ベルトも金属じゃなくて革なのがよく合ってます。きっと制作陣のなかに時計好きな人がいるのでは?

最後の一枚は、ルパンの全身図です。

s-ルパン全身


パンツの細さと、裾丈の短さが目立ちます。
これは昔からのルパンのスタイルで、九分丈よりもさらに短いパンツを履いています。
上記画像だとわかりづらいですが、生地はウール製で、色はライトグレー。青系のジャケットには鉄板の組み合わせです。
イタリアだと、この手のパンツはINCOTEXあたりが有名ですが、ルパンのはさらに細い。
最近はこういうパンツが流行ってるんですよね。トム・ブラウンもそうだし。
でもルパンは何十年も前からこのスタイルをつづけてるのだから、めちゃくちゃすごいです。マジで。
しかも、これにワークブーツを合わせるというスタイルが最高にかっこいい!
アメリカ人じゃまずやらないだろうし、イタリアでもこういうスタイルがでてきたのは最近のことです。
日本のほうがさきにこういうスタイルをやってたんですよね。そのなかでもルパンは先駆者です。

とにかく今回のルパンは、ふつうに真似したくなるスタイルで、とてもかっこいいという話でした。
放送が楽しみです。
書いてる人

藍上 陸(らんじょうりく)

藍上 陸(らんじょうりく)
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小説書いてます。

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