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高雄統子演出の「位置どり」

近ごろのデレマスは高雄成分が少ない気がするので、アイマスのときの演出を。

高雄統子さんは、「THE IDOLM@STER」(2011年・錦織敦史監督)でシリーズ演出をされています。
「シリーズ演出」という役職が具体的にどんなものなのかいまいちわからないのですが、その名の通りシリーズ全体の演出をコントロールする役職なのだと思います。

各話演出と相談し、演出の方向性を決め、コンテチェックをし、ときにはコンテや演出処理に手を加える仕事だと思います。
いわば、「監督」の役職から、演出の仕事を分離した形でしょうか。
監督の仕事は、こだわりだすと幾何級数的に仕事が増えていくと思うので、シリーズ演出をべつの方に任せるのは一つのよい方法だと思われます。

さて、シリーズ全体の演出をコントロールすることにより、どんな効果が発生するのでしょうか。

アイマスでは、主役の天海春香が電車で移動するシーンが何度か描かれます。

1話(絵コンテ&演出=錦織敦史)
アイマス1話


14話(絵コンテ&演出=木村隆一)
アイマス14


23話(絵コンテ=舛成孝二/演出=高橋正典)
アイマス23話


上記引用画像は、異なる話数にもかかわらず、どれも構図が同じです。
シートにすわっている春香を、カメラは正面から映しています。
すわる「位置」にも注目してください。
まわりがガラガラなのにもかかわらず、まんなかにすわってますね。
「どんなときもセンターはゆずらないわ!」といわんばかりです(笑)。

上記の話はどれも、春香の表情を見てもわかるように、雰囲気が明るいです。(23話の後半はあれですが……)

では、つぎに24話の電車のシーンを見てみましょう。
絵コンテ・演出ともに、高雄統子さんです。

アイマス24話1

アイマス24話2

アイマス24話3

アイマス24話4


春香の映し方がまったくちがいますね。
これまであった、正面からのアングルは一つもありません。
徹底してますね。

この24話は、春香が精神的な危機をむかえる重要な回です。
如月千早がアイドルの危機を迎える20話とならぶ、シリーズ屈指のシリアス回です。(※20話の記事はこちら

静止画で見るだけでも、シリアスな雰囲気が伝わってきます。
春香が携帯に顔を近づけて見つめている絵なんて、ぎょっとしてしまいますね。
アイマス24話2


一つ前の23話では、ふつうに顔を離して携帯を見ていたのに……。
アイマス23話


24話の春香は、仲間とのつながりをずっと欲しています。
お互いに忙しくて、なかなか練習で顔を合わせることができないため、携帯の連絡こそが仲間とのつながりなのです。
また、事故で入院しているプロデューサーとのつながりでもあります。
その携帯電話にぐっと顔を近づけることで、その切実さや病的な感じを表現しているわけですね。

また、すわる位置にも注目してください。
1話・14話・23話では、広々としたシートのまんなかにすわっていましたが、この24話では、狭いシートの端にすわっています。
アイマス24話4


この位置どりにより、春香が「追いこまれている」感じがよくでています。
また、電車の手すり越しに撮ることで、「牢獄」のような雰囲気も漂います。
春香の精神の危機がよく表現されているレイアウトですね。

1話・14話・23話のふつうの正面からのアングルは、視聴者に「安心」や「安定」の印象を与えます。
アイレベルも目の高さにすえています。
一方、24話のように、徹底して正面をさけ、アオリや俯瞰のアングルをとることで、「不安定」な感じや、「つきはなした」感じが映像から漂います。

このように、シリーズを通して「映像の伏線」を貼ることができるのが、シリーズ演出の強みと思われます。
シナリオだけでなく、映像の力を使って説得力を増すわけですね。
高雄さんが監督をつとめるデレマスは、一期(1話~13話)までは、このような映像の伏線がよく見られました。
それが作画のよさとも相まって、映像の密度をあげていたのだと思います。

しかし二期では、やや映像の密度がさがっているように感じているのは、自分だけでしょうか。
スケジュールの関係なのかもしれません。
それでもふつうにおもしろく見られるのはさすがなのですが……。

つぎのデレマス23話で、ついに卯月の精神の危機が描かれると思うので、そこで必殺の高雄演出が見られることを期待します。
書いてる人

藍上 陸(らんじょうりく)

藍上 陸(らんじょうりく)
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小説書いてます。

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